パソコンから「パン」という破裂音がして、まったく起動しなくなった話

先週(2016/10/8)の話ではあるが、朝パソコンを稼働させていると突然「パン」という音がして、電源が落ちてしまった。電源スイッチを何度押しても起動してこない。爆発音というか破裂音が聞こえたのでハード的にどこかやられたんだなと思いつつ、パソコン内部を確認してみた。

はじめに

このブログを読んでいただいている方はお気づきかもしれないが、私のパソコンはメーカー製ではなく、パーツを自分で選定して購入して自分で組み立てる、いわゆる「自作パソコン」である。ある程度のリスクやトラブルはある程度理解して作っているつもりだ。構成は管理人のPC&オーディオ環境に記載しているので気になる方は参照していただきたい。

一応、私は自己責任で作業を行っているが、メーカー製のパソコンや保証期間内のパソコンで同じ症状が出ている方は無理せず、メーカーや購入店に相談することをお勧めする。分解すると保証も効かなくなってしまう可能性もあるので注意しよう。

ちなみに構成のページを見ると分かるように自作してから4年半が経とうとしていた。パーツの保証もすでに切れているので自分で何とかしないといけない。

メインパソコンが動かなくなって少し焦ったが、この記事もそのパソコンで書ける状態に復旧できたのでとりあえずは良かった。ブログを書くのもブログ記事の中身も、PCオーディオするのも全部このパソコンなので動かなくなると結構ダメージが大きい。日頃からのバックアップが大事だなと感じた。

状況確認

特に何か作業をしていて止まったわけではなく、音楽再生だけを行っているときに落ちたようだ。気温的には暑くも寒くもない、20℃ぐらいだったと思う。なぜ秋のそんなに暑くないときに故障したのかよくわからない。接触不良や熱暴走で動作が不安定になるのはわかるが、今回のように完全に動かなくなるような致命傷は初めてだった。

電源スイッチを押しても何も反応がないので、とりあえず、パソコン蓋を開けて中を確認した。

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特に焦げ臭いとかは無く、マザーボード上は悪いところは見た目ではわからなかった。一応、グラフィックボードやCPUまで一回外して確認した。4年半使った割には綺麗である。

電源を確認

まったく動こうとしないので、電源を取り外して、単体で動作するか確認した。パソコン用の電源は電源についているスイッチをONにしただけでは動き出さない。外部からONの信号を入れる必要があるのだ。別端末(スマホ)などでネットで調べると方法が出ていた。

かなりわかりやすくまとまっていたので紹介しておく。→AKIBA PC Hotlineさん

上記ページの中盤にかかれている「電源ユニットの簡易チェック方法」を参考に確認してみた。

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ATX24ピンの中のスイッチ(PS ON)をグランド(GND)にジャンバー(接続)することで、パソコンの電源スイッチを押したのと同じ動作にすることが出来る。針金とかクリップ等(導通のあるもの)で接続しよう。

結果、まったくファンが動かなかったので電源の故障と断定した。

ちなみにこの電源は、下記シリーズの600Wのものである。

サイズさんはこれまで電源やCPUクーラーなど、いろいろお世話になっているが、不具合というのは今回が初めてである。特にファンの静音性が高いのでよく利用していた。今回の電源に関してはプラグインタイプで多少高価であるが、配線のしやすさを考えて購入したと記憶している。

製品紹介(サイズ商品紹介)もあるが、見る限りでは信頼性も高そうだし、3年保証だし、よさそうだと思ったが、こういうこともあるのだなと思った。特に全コンデンサに105℃コンデンサを使用しており、一番壊れやすいと考えられるコンデンサも信頼性を重視してパーツを選定している。それだけに今回の故障は疑問の残る感じがした。

電源をばらしてみたところ・・・

ここからは完全に趣味の世界なので無視していただいて構わないが、今回のように結構な破裂音がしたのに、原因を特定できていないと逆に不安なので、コンデンサが破裂していないのかを確認してみた。コンセントから外していても電圧のかかっているところもあるかもしれないので、電源を開けるときは注意&自己責任で行っていただきたい。(もちろん保証も効かなくなる)

最初にお断りするが、故障した状態をそのまま載せようと思うので、埃が写ってしまい申し訳ない。ばらさないと掃除できないところなので、4年半の埃がたまっているが、大きな埃というわけではなく、細かい埃がファンに付着している程度である。とはいえ故障するような致命的な汚れではないと思う(あまりパソコンの中まで掃除している方もいないと思うので言っておきますが、ファンで埃を吸い取っているので結構汚れていますよ)

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どのコンデンサが悪いのかなと、じっくり探してみるが特に破裂しているものや膨らんでいるものはない。あれ、、おかしい。あれは何の音だったのか。さらにじっくり基板を見ていく。

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あれれ、、、?

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見つけた!爆発部分。

コンデンサが破裂したことを想定していたが、まさかのICだった。パッケージのエポキシ樹脂が割れて、半分ほど吹っ飛び、中のICチップが見えてしまっている。こんなことあるんだろうか。

現物の吹っ飛んだ状態を見ると、ICチップ内の前工程の配線でここまでエネルギーが発生するとは考えにくいので、ワイヤーボンディングかリードフレームあたりで不具合(と、いっても4年半稼働しているので信頼性の問題)があると思われる。バスタブカーブの摩耗故障期(寿命)といわれたらそれまでだが、半導体チップで4年半ってどうなんだろうか?しかも、これが吹っ飛ぶことによって10万円、20万円するようなパソコンが一瞬で動かなくなるわけであるから、結構一般ユーザーからするときついような気もする。(もしかすると、このICの繋がっている先の回路に何か負荷のかかる状態になり、ICが先に吹っ飛んだという可能性もあるが、そこまで解析はしていない)

もし、本当にIC単体で故障したのであれば、せっかく信頼性の高いコンデンサを使用しているのに、このIC1つですべてを台無しにしてしまっている感がある。

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吹っ飛んだ破片は電源のケース内にとどまっていた。そのまま載せておく。先ほどの写真とくっつけて見てみると型式はどうやら、TNY278PNというICのようだ。この型式で検索するとPower Integrations, Inc.さんというメーカーのようだ。商品としてはMOSFETスイッチ(DC-DCコンバータのスイッチ部)となっている。値段は300円ぐらいのようだ。

少し違うチップだが、こんな記事もあった。大丈夫だろうか。そしてサイズさんには何も連絡していないが、大丈夫だろうか。

新しい電源に交換

愚痴っていても仕方ないので、とりあえず違うメーカーの新しい電源を購入してきた。

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パッケージが少し怪しいが、パソコンの電源メーカーでは有名なアンテックさんなので多分大丈夫だと思う。

交換後、無事、パソコンが起動した。他のパーツへの影響はないようだ。電源単体の故障ということで今回は決着した。原因もはっきりしているので、おびえながら使うということはないだろう。4年たっているがWindows10にアップグレードしているし、スペック的にもまだまだ使えるパソコンだ。出来るところまで使い続けたいと思う。

ハードウェア

Posted by kazutomo