【備忘録】H.265(HEVC)エンコードの注意事項

MPEG2と比べると4倍の圧縮率を誇るH.265(HEVC)であるが、使う前に知っておいたほうがよい注意事項があったので、備忘録として残しておく。

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H.265(HEVC)を使えば容量を抑えられるが・・・

最新の動画圧縮形式であるH.265(HEVC)はiPhone等でも採用されている比較的メジャーな圧縮形式である。MPEG2と比べるとファイル容量は1/4で同じ画質を維持できる。機器が対応しているのであれば是非使いたい形式ではあるが、自分でも変換してみて、問題点が出てきたので、参考までに残しておく。

その問題点というのは、ほぼプログレッシブしか対応していないということである。(仕様上はインターレースもあるらしいが、対応機器、ソフトが皆無なので、実質使えない)

インターレースとプログレッシブ

映像タイプにはインターレース、プログレッシブの2種類が世の中には存在している。インターレースは2つのフィールド(トップとボトム)で1つのフレームを構成している。プログレッシブは1フィールドで1つのフレームを構成している。

例えば、インターレースは30fps(フレーム/秒)の場合、フィールドとしては60存在している。プログレッシブは1フィールド1フレームなので、フィールドとしては30となる。つまり、同じフレームレートの場合、プログレッシブはインターレースの半分のフィールド数になってしまう。

フィールド数が何を意味しているかというと、映像の滑らかさ(ぬるぬる、かくかく)に影響している。ちなみに日本のテレビ放送は昔からずっと29.97fps インターレースと規格で決まっている。普段見慣れているのは29.97fps,59.94フィールドということになる。

ここで、H.265を使うためにプログレッシブに変換するとしよう。フレームレートを29.97fpsにすると、フィールドも29.97になる。インターレースと比べると半分なので、動きの速いシーンではコマ落ちしたような、かくかくした動画になってしまう。

H.265を滑らかな動画にするには

プログレッシブの動画をインターレース並みの滑らかさにするには、フレームレートを59.94fpsにすればよいということは何となく分かるだろう。フレームレートを上げるということは1秒間に表示する画像を増やすということである。

同じ画質を維持するのであれば、容量が2倍になってしまう。容量を維持しようとすれば、画質が低下する。画質は落としたくないという方が多いと思うので、結局はビットレートを増やすことになり容量が2倍になる。

H.265を使ってもH.264のインターレースとほぼ同じ容量になるのであれば、現状、互換性の高いH.264のインターレースのほうが良いのではないかと思う。もちろん、H.265で撮影、編集が完結する用途であれば、容量は抑制できるのでH.265を使うと良いだろう。

最後に

今回の事象はインターレースからプログレッシブにする場合に起こると考えられるが、エンコードする際に意外と気が付かないところかなと思う。変換した動画が「かくかく」すると感じたら、インターレース、プログレッシブ、フレームレートあたりの設定を確認するとよいだろう。

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